避難マニュアルの多言語化

2016年4月、熊本地震が発生した時、訪日外国人観光客を対象にしたアンケートで「母国語のマニュアルが欲しい」という声が6割以上ありました。

また、母国語でなかったとしても、日本語以外(英語、中国語)の避難誘導案内があると安心するという声も多くありました。

「観光立国」を掲げる日本は、反面大きな震災が発生するリスクを抱えています。

近年インバウンドに力を入れる中で、外国人への観光対策が重要視されてきています。

東日本大震災、熊本地震と大規模な地震が直近の10年で発生する中、各地域自治体には「もしも」の時の安全と安心の防災対策が求められています。

「安全」とは、災害が発生した時に被害を最小限に抑えるための対策です。災害が起こった時にどこに避難するのか、建物の耐震・浸水対策や備蓄品の確保などが該当します。

では、「安心」のための対策とは何でしょうか。

考える、「安心」のための防災対策

どんなに「安全」対策を行っていても「もしも」の時は、多くの混乱が生じることを想定しておく必要があります。

ずっと日本に住んでいる私たちでも、大きな地震や水害が起きれば、大混乱に陥る可能性があります。

しかしそれ以上に、母国を離れ、慣れない異国の土地を観光している訪日外国人では、さらに大きな混乱が起こることは容易に想像ができます。

そこで「安心」できる防災対策が重要になってきます。

ここでの「安心」とは、異常事態でも冷静に判断・対応ができるように、混乱に繋がる要因を排除する環境作り、と考えることができます。

・・・ついつい難しく書いてしまいましたが、要するに「みんなが落ち着いて避難できる環境作り」と考えるとわかりやすいですかね。

また、ここでは主に訪日外国人に対する環境作りという部分で考えていきたいと思います。

例として上げれば、「避難マニュアル」「音声案内」「誘導標識」の多言語化や「外国人ボランティア」の体制作り、「訪日外国人を想定した避難訓練」の実施などが該当します。

どれもすぐに対策できるものではないので、今のうちから時間をかけて準備をしておく必要があります。

広がる防災対策「多言語ガイドブック」の取り組み

ここで、「安心」防災対策の一例を紹介します。

千葉県流山市の市役所では「多言語ガイドブック」が一般に配布されています。

それぞれタイトルが「日本語・英語・中国語」で書かれていて、内容は日本で発生する災害についての説明や、その対応策がまとめられています。

また、災害時に「指さし」会話ができるように会話表も記載されていて、言葉でのコミュニケーションが難しい場合は、絵と文字を指さして会話できるようになっています。

元々地震が無い国の人や避難・防災の経験が無い人も多いため、こうしたマニュアルを配布しておくことで、災害時でも「安心」できる環境づくりができるようになります。

※画像はイメージです。